実行委員長からのごあいさつ

全てのみなさまへ
「女子中高生夏の学校2019〜科学・技術・人との出会い〜」実行委員長からのごあいさつ

 

 15回目の「女子中高生夏の学校(夏学)」開催に向けて

2005年に鳥養映子先生(山梨大学名誉教授)らが始めた「女子中高生夏の学校(夏学)」は、今年で15年目を迎えます。この15年の中で時代は劇的に変化し、社会が夏学に求めるものも確実に変わってきたかのように思います。

現代社会は「境界なき社会」と言われて久しく、過去の成功例や常識が必ずしも通用しない時代にもなっています。こうした時代背景の中で、AIなどにはできない批判的思考や幅広い視野に基づいた思考ができる人材の必要性が、ますます高まっていることにもはや疑いの余地はありません。このような時代に生きていかなければならない若い女子中高生のみなさんに対して、我々は一体何を提供することが出来るのか?と真剣に考えた時に、結局それは夏学の原点でもある、3日間の合宿で提供される様々な体験や仲間との出会いであることに、改めて気づかされました。こうした経験を通じて各自に生まれた様々な「気づき」は、既成概念にとらわれずに、将来においても常に新しい発想を生み出し続けていくための力強い源泉になるはずです。

新しい時代に対応していくためには、夏学を企画・運営する私たち自身も常に変化していくことも重要ですが、夏学の原点にある人々の思いや歴史を決して疎かにすることは出来ません。昨年のことになりますが、我々はNPO法人「女子中高生理工系キャリアパスプロジェクト(GSTEM-CPP)」を設立しました。GSTEM-CPPは時代の変化にいち早く対応し、さらには夏学のみに留まらずに、活動の幅をさらに広げていこうとしています。しかしながら、今も昔もその根底にあるのは、変わるようで変わらない、夏学に関わりまた夏学を愛する全ての人々の熱い思いです。

2019年に15歳を迎えた夏学ですが、今後立派な成人となるために、これからもみなさんの力強いご支援を頂ければと思います。何卒よろしくお願いいたします。

 

植松 崇之(うえまつ たかゆき)
日本分子生物学会 会員
北里大学メディカルセンター 研究部門 室長補佐